今回は仙台市街地から車で30分ほど行ったところにある岩沼市へ。
高速道路を下りると田園風景が広がっています、これも岩沼市のいいところですよね。
お米でしょうか、反対側はきれいに刈り取られた後でした。
秋が深まってきたんだなぁと感じる風景です。
この岩沼市、江戸時代には一時、仙台藩から領土を分与されて「岩沼藩」となった時代がありました。
そのころから仙台藩としても交通や治世の重要な地であった岩沼ですので、古くから商いをおこなってきた老舗もたくさんあります。
今回はそんな老舗のうちの1軒、「わたとう書店」に伺いました。
以前岩沼に来た時に行った奈良漬けの相傳商店や洋菓子のかめやから南へちょっと進んだ場所にあります。
実は今回、わたとう書店の向かいにあった文久元年(1861年)創業の「小野酒造店」という酒蔵を訪ねる予定でした。
しかし、行ってみるとそれらしき建物は無し……。
わたとう書店の中に女将さんがいたので、失礼ながら中に入り「すみません、ちょっとお聞きしたいんですけど……」と声を掛けると、「はい!どうぞー」と快い返事が。
「このお店の向かいに酒蔵があると聞いて来たんですが、どこだかわかりますか?」と聞くと「あー、もうしばらく前に辞めちゃったよ」と。
なんでも東日本大震災よりも前にお店を閉めてしまっているのだそう。
「残念だったねぇ」なんて言ってくれて、すごく優しい女将さん、歴史のある老舗を時間を見つけては巡っているんですと事情を話すと「ウチも長いよ」と。
「どれくらいやられているんですか?」と聞くと、「う~ん、私がここに来た時で150年とか言ってたから……」。
え!?じゃあかなりの老舗ですよね?
「わたとう」という屋号は長いらしく150年以上経っていることは間違いないようですが、正確にはわからないんだそうです。
わたとう書店のお店の中を改めて見回してみると、建物は年季が入っていますが、小綺麗な感じでホント町の本屋さんといった感じ。
「本なんて今はどこにでも売っているからね、文房具にしてもそうだよね。でも少しでも来てくれる人がいるから続けてこれたんだよね」と言っていましたが、お店の中では駄菓子なんかも置いてあって、近所の子どもたちが集まるお店なんだなぁということもわかります。
岩沼市の名所のことや、宮城県内だったらここに行ったほうがいい、あそこは見てきた方がいいと、本当にいろいろとお話をしてくれました。
「せっかくなんで、何か買っていってもいいですか?」と言うと「いいよいいよ!気使わないでよ!」なんて(笑)本当に気の良い女将さんです。
「うちに2歳と5歳の子どもがいるんで、何かお勧めの絵本はありますか?」と聞くと、「ここにあるやつはお勧めの本だよ」と教えてもらい「これなんか人気あるよね~」とか話してくれて、1冊の絵本を買わせていただきました。
お会計してもらっても「お子さんは連れて歩かないの?」「小さい頃の父親の影響力は絶大だからね、どこに行くにも連れて行ってあげなさい、私なんかこの年でそれに気づいたんだから!」と本当にいろいろと気遣ってもらい楽しい時間を過ごせました。
で、買ってきたのがこちら。
くろねこかあさん
なんだかテンポの良い絵本です。
帰ってきた我が子に渡すと……。
一人で読みだしたかと思ったら……。
「読んでぇ!!!」
このあときちんと子ども二人に読み聞かせをしました。
今回は岩沼で素敵な本屋さんに出会うことが出来ました、今度は子どもも連れて行こうと思います。
わたとう書店 宮城県岩沼市中央2-3-16