仙台市内には有名な老舗企業が数多くありますが、その中でも抜群の知名度を誇る企業がこの「タゼン」です。
創業は慶長元年(1596年)、大坂で腕を振るっていた彫金工、善蔵が伊達政宗公に見出され、当時の居城、岩出山城へと連れてこられ、その後仙台の青葉城築城にも尽力。
現在の本社のあるこの地に土地を与えられ、職人としては珍しく苗字も与えられたのだそうです。
出身地である「田中」を名乗り、そのころから田善と呼ばれるようになったのだとか。
伊達政宗公は金色を好んだと言いますので、銅のきれいな赤金色は重宝されていたのではないかなと推測できます。
現在で18代目。今ではガス機器やキッチン、お風呂などのリフォーム業をメインの業務としているタゼンは、仙台市内に数店舗お店を構えています。
仙台市内を歩いていると、電柱の看板だったりバスの広告だったり「タゼン」の文字をよく見かけます。
実は以前から、そんなタゼンへ銅製品を買いに行きたいなぁと思っていたんです。
もともと彫金工ですからね、銅製品も受け継がれているみたいです。
本社一階はショールームになっているのですが、その横には銅の工房も。
中に入ると職人さんらしき人とビジネスマン風の人が商談をしていました。現在、このタゼンでは銅製品は受注生産だとか。
ショールームの中にも銅製品が置いてありますが、あまり数は多くなく、何か良いものはないかと探しているとお店の人に「奥にも少し置いてありますよ」と声を掛けられて、お店の奥へ。
銅の食器や銅の一輪挿しなどもありましたが、もっと実用的なものはないかと見ていると、ありました……、おろし金。
サイズの違う純銅製のおろし金が多数置いてあります。
一番大きいのは野球のキャッチャーミットくらいあったのですが、これはさすがに……、またお値段もそこそこしますからね、一番小さな、でも使い勝手の良さそうな純銅製おろし金を購入。
こちらです。
純銅製 おろし金 3,000円
こちらタゼンで作られているわけではなく、新潟の同専門店、新光堂というところで作られているものなんだとか。
おろし金とは思えないくらいずっしりしています。
開けてみるとこんな感じ。
持ち手の赤金色が高級感ありますよね、こんな本格おろし金を手にしたのは初めてです。
また手づくりなので目の形や場所も不規則で、そこがまたいい味を醸し出しています。
おろし金と言ったら、やっぱり最初は大根おろしだということで、早速大根をおろしてみることに。
おろし金に重さがあるので安定しておろしていくことが出来ます。
簡単に大根おろしが出来てしまいました。
作った大根おろしをから揚げにのっけてポン酢を掛けてみます。
わー美味そう。これ絶対美味しいでしょ。
食べてみると、もちろん美味しすぎるほど美味しいです。
銅には殺菌、抗菌性があるため、食べ物に使うのはとても安心なのだとか。
何より「純銅製のおろし金でおろした大根おろし」というところに美味しさを感じてしまうのは私だけでしょうか?
いやぁ、今回もいい買い物が出来ました。このおろし金とも長い付き合いになりそうです。
タゼン本店 宮城県仙台市青葉区一番町1丁目12-40