今回もまたまた石巻です。
JR石巻駅から徒歩10分ほどにある観光スポット、石ノ森萬画館から南へ。
旧北上川沿いから一本入ったところに老舗が1軒、山形屋商店があります。
この建物の裏手には日和山城跡があります。
山形屋商店は明治41年(1908年)創業の老舗です。
明治41年はうま味調味料「味の素」が発明された年だそうです。
家庭料理では欠かすことのできない調味料となっている味の素ですが、同じく欠かすことできない調味料、「醤油」の醸造を山形屋商店は明治41年に始められました。
この辺りは海からも近く、また旧北上川沿いでもあるので震災の時にはかなり被害が出たんだと思います。
JR石巻駅から車でちょっと走っただけなのに、なんとなく閑散とした雰囲気で、工事車両が多く、空き地となっているところも散見できます。
入り口には大きな樽も。すごくいい感じです。
蔵のような工場が連なっています。
中に入ると、事務所のようなところに人が……、「ここで買うことが出来ますか?」と声を掛けると「はい!いいですよ!入ってください」と元気な女将さんが対応してくださいました。
普段は卸や通販なので、直接お店に買いに来る方はあまりいないんだと思いますが、快く対応してくれました。
「こちらに並んでるので見てってくださいね」と。
味噌や醤油、さらに他の会社とコラボした冷凍のはらこ飯セットなどもあったりして結構迷ってしまいました。
「色々買って試してみたいな~」と考えていると”お試し調味料セット”なるものがあったので、そちらを購入。
「これください!」と言うと若旦那が「わかりました!ちょっと待っててくださいね」と工場のほうへ。
待っている間に、今いるこの店舗は震災の時に天井まで津波がきた事、壁に掛けてある時計はその時の時間で止まったままになっている事、窓とか扉はすべて流されたけども建物自体は残ったから、建物はそのままでなんとか再開している事、隣の工場は建て直した事など、女将さんがいろいろと話してくれました。
大変だったのはすごくよくわかるのですが、そんな大変な話を明るく、子どもに昔話でもするかのように話してくれる女将さんは本当に芯の強い人なんだと感じました。
そういう強さも、どんなに大変なことがあろーうとも100年以上続く店の暖簾を守ることが出来る秘訣なのかもしれませんね。
会計を済ませて……、でもまだちょっといろいろと話を聞いていて、「長く続いているお店をいろいろとままわっているんです」と言うと、今度は若旦那が奥からゴソゴソ……、「これ昔の写真なんです」と、昭和初期のころの山形屋商店のアルバムを見せていただきました。
昔の人たちもすごく元気に明るく働いている写真や当時の工場の写真など貴重な写真をたくさん見せてもらい、「これももしよかったら……」と
当時の写真をポストカードまでいただいちゃいました、この煙突は当時のままなんですね。
少しの時間でしたが、「また来ます!」と言ってお別れをしました。
すごく楽しい時間をありがとうございます。
で、買ってきたのがこちら。
いいですよね、これ。
左から「甘い酢」、「だしつゆ」、「特選しょうゆ」、「わかめ用ドレッシング」。
手のひらサイズなんですけど、中の密閉蓋を外すと一つ一つが卓上醤油さしのようになるので、ものすごく便利。
詰め替えても使えるし、子どものお風呂用のおもちゃにもなります。(笑)
トップバッターでどれを使おうかと考え……、一番気になるこの選手を使うことにしました。
「わかめ用ドレッシング」です。
他の選手は羨ましそうに後ろから見ています。
なんでわかめ用ドレッシングなの?と思いますよね、私も思ったので考えたのですが、石巻を含む三陸はわかめの名産地でもあります。
なので、わかめをよりおいしく食べられるように……と、わかめ用ドレッシングなんじゃないかなと推測します。
もちろんわかめ用ドレッシングなので、わかめを用意し、
わかめにかけます。
わかめを塩抜きしたあと切って盛り付けてわかめ用ドレッシングをかけただけ、シンプルな食べ方です。
食べてみると、ほんのり甘くかつおの風味があってたしかにわかめに合いますね、美味しい。
もっとしょっぱい感じを想像していたのですが、上品な和風ドレッシングといったところでしょうか、わかめ以外にもいろいろと合う食材はあると思いますよ。
2歳の娘もわかめをパクパクと手づかみでたくさん食べていましたよ。
仙台から石巻はちょっと遠いですけど、また必ず行きますね。
山形屋商店 宮城県石巻市門脇町1-11-16