石巻の旧北上川のほうへ。
旧北上川に小さな中州のような場所があるのですが、ここに石ノ森萬画館という場所があります。
石ノ森萬画館はご存知の方も多いと思いますが、「サイボーグ009」や「仮面ライダー」などの作者、漫画家である石ノ森章太郎さんのミュージアムで、石巻の観光スポットにもなっています。
かなり個性的な形の建物ですが、このデザインも石ノ森章太郎さんの発案なんだとか。
石ノ森章太郎さんは宮城県登米市出身で、石巻にかつての賑わいを取り戻すべく2001年にオープンしました。
そのため、石巻の街中にはこのような石ノ森章太郎さんの作品が多数あり、散歩しているだけでも楽しい気分になります。
石ノ森萬画館からほど近くの場所に観慶丸本店という老舗があります。
こちらの観慶丸本店は嘉永元年(1848年)創業の老舗陶器店です。
嘉永元年は第12代将軍 徳川家慶の時代。
観慶丸の創業者は石巻で廻船業を営んでいた武山家の船頭でした。
廻船業とは港から港へ人や物資を運んで回る仕事の事、海運業とでも言いましょうか。
石巻の武山家は北海道から関東、江戸や浦賀まで東北の物資を運んだりする仕事をしていて、観慶丸の創業者はその武山家の船の船頭。
で、創業者の方が長年舵をとったのが武山家所有の「観慶丸」という船で、名前はここから来ているんだそうです。
店内に入ってみると、すっごくオシャレな空間が広がります。
陶器屋さんですので、食器や茶器が置いてありますがなんだかどれもワンランク上って感じで……代官山のセレクトショップに来ました、なんて言っても全然違和感はありません。
陶器のほかにも、洋服や雑貨なども多数置いてあります。
広い店内で置いてある品数も多く、ディスプレイも素晴らしいんですよね、ずっとこの場に居たくなるような感じ。
色々と見て回りましたが、長く、ずっと使えそうなものがいいなということでこちらを今回は購入してきました。
マグカップです。
色がきれいで明るい感じ、元気をもらえそうなマグカップです。
写真じゃ伝わりにくいんですけど、表面がきれいで少し奥行きのある色なんですよ……、言っている意味伝わってますかね?(笑)
これでお客さんにコーヒーなんか出したら「大切にされているんだな」なんて思ってしまうことでしょう、もちろん自分用ですけど。
石巻と聞くと、漁業が盛んでいい意味で人情味あふれる下町感のある街を想像していましたが、観慶丸はそれとはまたちょっと違った価値観を提供してくれるお店です。
ちなみに石ノ森萬画館へは、JR石巻駅から歩いて10分ほどの距離なのですが、歩いて行く途中にかなり貫禄のある建物があります。
旧観慶丸本店です。
観慶丸は昭和5年にこの建物を建て、石巻初の百貨店もやられていたそうですが、戦争の影響で物資が乏しくなり、従来の陶器店に戻したそうです。
ホント歴史を感じる建物です。
石巻と共に歩んできた観慶丸本店、また伺いたいと思います。
観慶丸本店 宮城県石巻市中央2-8-1