今回は仙台市街地から蔵王や白石方面に向かう時の玄関口、柴田郡村田町にやってきました。
村田町の入り口には謎の城門?のようなものが。
仙台市街地から高速道路で30分ほど走った所にある村田町は江戸時代以前から村田城というお城があり、江戸時代には紅花などの商いで栄えた町。
昔からの蔵が通り沿いに残っており、「蔵の町並み」として観光名所にもなっています。
昔からの町なので、100年以上続く老舗企業もこの通り沿いにたくさんあるんですよね。
なので、1軒ずつ見て回りたいと思います。
まず伺ったのが嘉永2年(1849年)創業のかねしょう商店。
見事な蔵ですよね。
嘉永2年は最後の日本式城郭である松前城の築城が開始された年、そのころから歴史のあるかねしょう商店に伺いました。
お店の中に入ると、女将さんが「よく来て下さったわね、村田は初めて?」と聞いてきてくれたので、「何度か通ったことはあるんですが立ち寄ったのは初めてです」と答えると、「じゃあ、向かいの建物に入って、中見てきてごらん」と。
向かいの建物は「やましょう」。
このやましょうが本家で、やましょうから分家して創業したのがかねしょう商店だそうです。
このやましょうの建物、旧大沼家住宅として有形文化財に指定されています。
今は中を無料開放し、観光客の方々にも見てもらっているんだとか。
早速お邪魔してみると……
なんだかすごい……。
あるものすべてが年代物でホント時代を感じる建物です。
時代劇のセットのようですが、これ全て本物ですからね。
そのまま奥に入ると、大沼家の居間に。
天井が高いんですよね、古いんですけどちょっとおしゃれでもあります。
さらに奥は畳の部屋(って全部畳の部屋なんですけど)。
戸?壁?何かシールなの?お札?じゃないよね?
さらに進むと、ちょっと怖い雰囲気……。
そして建物の一番奥は蔵と繋がっているみたいで、ちょっとひんやりしていて電気が無ければ真っ暗です。
この一番奥の蔵、結構怖いんですよ、何だろう……ワイワイ行けばそんな雰囲気にならないかもしれませんが、静かに入るとお化け出てきそうな(本当にごめんなさい)
やましょうをひと通り見て回り、また向かいのかねしょう商店に戻ると女将さんが「ここの2回も無料で見れるよ」と、女将さん自ら案内をしてくれました。
レトロな雰囲気がとてもワクワクする空間です。
かねしょう商店の2階は「かねしょうの時館」と名付けられた無料展示スペースです。
東日本大震災の時に被災してしまったのを、宮城大学のボランティアの人たちの協力もあって昔から販売していたものや昔から使っていたものを展示していこうということになったのだとか。
今ではテレビの中でしか見ることが出来ない調和レトロな家具がたくさん並びます。
「このオルガンはまだちゃんと使えるのよ、足で踏みながら弾くの」と女将さんが実演もしてくれました。
元々大沼家では、この地域で紅花の商人をしていたのだそうです。
紅花は主に江戸や京都に運ばれたのだそうですが、大沼家は山形から日本海へ出て、琵琶湖を渡り京都へ紅花を売りに行っていました。
京都で売った紅花の代金で、京都のものを仕入れて村田に持ち帰るという商いをしていたそうで、多分に京都文化がこの辺りに浸透したのだそう。
なので、みちのく宮城の小京都とも呼ばれていました。
たしかに小京都と言われると、町並みもそんな感じに見えますよね。
女将さんから本当にいろいろと貴重なお話を聞くことが出来ましたが、あまり長居しても失礼なので……ということで、何か良いものないかな?と探してみてこれを買って帰ってきました。
紅花茶です。
江戸時代からの紅花商人のお店からかった紅花茶ですからね、何かを感じるかもしれません。
この赤いのが紅花ですね、まだお湯入れてないですがすごくいい香りがします。
ここにお湯を投入……。
紅花が開いてきてすごくきれいで可愛いですね。
出来上がりです、すごくいい香りがします。
飲んでみると、いい香りのするお茶ですね。
ハーブティーのような派手な香りはしませんが、なんだかほっこりと落ち着く香りと日本茶の味です。
昔の暮らしとか村田町の歴史とか、いろいろと学ぶことが出来るかねしょう商店、お店の中にもいろいろなものが売られていてとても面白い場所なので、また是非行ってみたいと思います。
かねしょう商店 宮城県柴田郡村田町村田町33