仙台市街地から車で1時間ほどの距離にある亘理郡に来ています。
岩沼市から阿武隈川を渡ると亘理に入るみたいですね。
亘理は海からも比較的近く、また阿武隈川も流れていることから10月は亘理の名物であるはらこ飯がいろいろなお店で供されています。
はらこ飯ってお店でホカホカの出来立てを食べても美味しいんですけど、このようにお弁当になって冷めた状態でもすごく美味しいんですよね。
亘理という地も歴史上重要な土地で、伊達政宗公の時代には片岡景綱と共に家臣の双璧として活躍した伊達成実が治めていた地です。
慶長7年(1602年)に政宗公から亘理の地を与えられ初代領主となり亘理の発展に努めてきたのだそう。
そんな歴史ある町には、やっぱり歴史の長い老舗も存在します。
その中の1軒、永田醸造に今回はお邪魔してきました。
もう見てくださいよ、この建物。
目の当たりにすると圧巻ですよ。
永田醸造は延宝3年(1676年)に創業した味噌や醤油を造る老舗です。
延宝3年は第4代将軍徳川家綱の時代ですからね、300年以上に渡って伝統を守り続けてきました。
永田醸造のこの建物は明治期に出来たもので、現在は登録有形文化財になっています。

お店の中に入ると、味噌や醤油が並んでいるのですが、普通の味噌や醤油だけではなく、味噌バターとかガーリックバター醤油とか、「はらこ飯のつゆ」なんてものも並びます。
今まで作り続けてきた味噌や醤油を、よりおいしく食べてもらうための工夫なのでしょうね。
こういう姿勢は学ばなければいけません。
色々と本当に迷いましたが、やっぱりここは……、ということでこちらを購入。
味噌です。
「定番」なんて書いてありますからね、やっぱりまずは定番を試してみないと。
で、今回亘理の海沿い、荒浜の市場でお手頃な魚を購入してきたので、その魚を使って調理をします。
「どんこ」です。
本名は「エゾイソアイナメ」だそうです。
このどんこを使って、三陸名物のどんこ汁にチャレンジしてみますね。

なんか口から出てる……、どんこって今まで扱ったことが無いので、レシピ見ながらさばいていきます。
とは言ってもさばくこと自体は結構簡単で、頭の後ろの部分に包丁入れて体をグルっと……。
で、頭を引っこ抜くと肝が一緒に出てくるので、それで下処理は完了です。
抜き取った肝は使うのでそのままに、頭は縦に半分に、残った身は3等分くらいにぶつ切りにします。
肝以外は熱湯をかけて霜降りに。
で、水を入れた鍋の中にまずは頭から、そして野菜やらなんやらを煮ていきます。
ある程度火が通ったら、ネギ、白菜などを入れてまたちょっとだけ煮て。
今回の主役の登場です。
味噌は沸騰させると風味が損なわれますからね、煮終わった段階で肝と味噌を投入します。
どんこは結構煮崩れして完全に出汁と化してしまいました、でもそれでいいんです。
で、どんこ汁完成しました。
美味そう!いただきまーす!
食べてみると、どんこの出汁、本当によく効いていますよ。
そして何より永田醸造の味噌、味噌の味がしっかり出ていて、ほかの味噌よりもやや味が濃い気がします。
本当に美味しくて体も温まります。
野菜もたっぷりですからね、子どもにもすごくいいです、どんこの骨が出てくるので、そこだけ注意が必要ですけど。
今回の永田醸造の味噌、味が確かなのは十分わかったので、次は普通ではない(?)味噌とか醤油のほうを試していきたいと思います。
永田醸造 宮城県亘理郡亘理町上町31番地