東北一の歓楽街と言われている仙台市街地にある国分町から作並街道を挟んだ北側に木町通という地があります。
この辺りも古くからのお店がたくさんあるエリアで、以前伺った仙台駄菓子の熊谷屋とか、杜の都景観重要構造物の一つにお店が指定されている横山味噌醤油店などもこの木町通にあるのですが、もうこの辺りは100年を超える老舗はないかな、と思っていたのですが……ありました。
こちらです、フレッシュスーパーITO。
雰囲気が町のスーパーって感じですが、まさにそんな感じです。
100年を超えているの?と思ってしまいますが、つい最近も宮城県のローカルテレビ番組に300年以上の歴史を持つお店として紹介されていましたので地元の人たちには本当に古くから親しまれているお店なのでしょう。
300年を超えているのは確かなようですが、正式な創業年はわからないんだそう。
フレッシュスーパーITOは屋号で、会社名は「伊藤治兵衛商店」といいます。
中に入ってみると、縦長というか奥に長いお店です。
手前には野菜を中心に置いてあり、奥には惣菜やお魚、肉などもあります、さらにその奥には調理場でしょうか、店員さんが忙しそうにされていますね。
レジ横に300年以上という証拠も発見。
子どもが嘘つくわけありませんからね、300年以上の長い歴史があるのは間違いなさそうです。
で、ここで何を買おうかと思案していましたが、前から料理してみたいなと思っていた「くるま麩」を購入してきました。
こちらです。
宮城県の名物の一つに油麩というものがあります。
油麩とは、通常焼いて作る麩に対して油麩はその名の通り「油で揚げる麩」。
この油麩は江戸時代から主に宮城県北部、岩手県南部で食べられてきた、全国でも珍しい麩なんだそうです。
なので、宮城県にはスーパーの中でも、油麩や焼麩など麩コーナーが充実している事も珍しくありません。
じゃあなんで今回油麩ではなくくるま麩(焼麩)にしたのか……、
それは、この麩を作っている大沼焼麩店が明治元年創業の老舗だからです!
大沼焼麩店は宮城県白石市にある焼麩の老舗です。
麩の原料は小麦粉とグルテンのみ、この大沼焼麩店では自家製グルテンを使った本当の手作りなんだそうです、しかも無添加。
ああ、それ聞いただけでも美味しそうですよね。
ということで早速麩を調理していきます。
麩はお味噌汁やお鍋に入れたりも出来ますが、それだと脇役になってしまいますからね、くるま麩メインの煮物にします。
で、出来たのがこちら。
くるま麩とこんにゃくの煮物です。
食べてみると、くるま麩に味がよく染み込んでいてとっても美味しいです、煮物はやっぱり正解だなぁ。
子どもも小さな麩は食べたことがありますが、こんな大きな麩は初めて。
恐る恐る食べはじめましたが、一口食べると……
「おいしー!」って。
写真ではイマイチっぽい顔してますけど、みんなで完食しましたよ。
ちょっと見た目的にあまりおいしくなさそうな印象を与えるのでしょうか……、最初は「え~?今日のご飯お麩~?」みたいなことを言っていた子どもたちもたくさん食べてくれましたよ。
和食を美味しいと思える子どもって素敵ですよね、我が家の子どもたちは和食も洋食もどっちもよく食べてくれますが、普段口にできないものを老舗を通して口に出来るって素晴らしいことなんじゃないかなとも思いました。
フレッシュスーパーITO 宮城県仙台市青葉区木町通2-5-22