こちらは登米市の中心地にある「水沢県庁記念館」です。
現在の宮城県北部にある登米市、幕末までは登米伊達氏が治めていた地域ですが明治に入り廃藩置県が公布された明治4年に宮城県北部と岩手県南部の地域が「登米県」となり、明治5年に登米県は「水沢県」と変わりました。
その明治5年からの県庁だったのがこの建物だということです。
しかし明治8年には水沢県の県庁としての役目を終えて、学校になり、その後は裁判所になり……とこの地域を支える建物だったことに変わりはありません。
現在は水沢県庁記念館として、明治の面影を残す文化遺産として残されています。
そんな水沢県庁が出来た明治初期に創業した老舗が、水沢県庁記念館から歩いて数分の場所にあるんです。
それがこちら、熊本油麩店です。
熊本油麩店は明治初期に創業し100年以上の歴史のある油麩店です。
油麩とはお麩を油で揚げたもの。
登米市の名産品で、油麩を作っているお店や扱っているお店が登米市には多数あります。
B級グルメの「油麩丼」なんかも有名で名物となっています。
店内に入ると、年季の入った暖簾が……。老舗感がすごく出ていますね。
店先に誰もいなかったので「すいませーん!」と呼びかけると、足音と共に白衣姿のご主人が出てきてくれました。
「油麩をください」と言うと、「はい、いいですよ。どれにします?」と。
フランスパンのような棒状のものもあれば、最初から調理しやすいように切ってあるものまで。
今回は切ってあるのがいいかなと思い「これを下さい」と言うと、「ちょっと待っててくださいね」と奥へ。
少し待っているとまだ出てきて「これ、出来立てだから」と出来立ての油麩を持ってきてくれました。
で、今回購入してきたのがこちらです。
あぶら麩です。
油で揚げてあるので触ると手が油っぽくなります。
パッケージの裏にはレシピまで載っています。
味噌汁にしてみようかと思っていましたが、せっかくレシピが載っているのでこの中の一つ、「あぶじゃが」を作りたいと思います。
あぶじゃがとは肉じゃがの油麩バージョンの事のようです。
肉の代わりに油麩を使って作ります。
新じゃが、玉ねぎを切って炒めて。
人参が無かったのが残念ですけど……。
ある程度炒めたらだし汁を入れて煮ていきます。
そして油麩を投入。
切ってあるのでそのまま鍋に入れてさらに煮ていきます。
おお、いい感じになってきました。
完成です!
かなりうまそう。
食べてみると、味がしっかりとしみ込んでいてすごく美味しいですね。
油麩から出てくる油による風味があってワンランク上の料理になります、すごく簡単なんですけどね。
子どもは普通のお麩は大好きなんですけど、油麩は初めてでした。
最初は自分から食べずにいましたがママに箸で口に運んでもらい食べてみるとまんざらでもない様子。
そのあとは自ら進んで食べていましたよ。
熊本油麩店 宮城県登米市登米町寺池三日町47