今回は仙台市街地から車で30分ほどのところにある名取市閖上に来ています。
閖上地区は東日本大震災で甚大な被害の出た地域。
あれから8年が経とうとしていますが、更地も多くいまだ復興の途中という印象が拭えません。
この閖上地区は港町で震災以前から水産加工の会社などが多くあり、今でも週末だけ行われている閖上の朝市は県内はもちろん県外の方などたくさんの人が集まり、とても活気があります。
そんな閖上地区ですが、震災後に出来た水産加工団地の一角に100年以上続く老舗があるというのでお邪魔してきました。
こちら、鈴栄です。
鈴栄は明治29年に創業した老舗です。
明治29年は「銀河鉄道の夜」や「注文の多い料理店」などを書いた詩人、童話作家の宮沢賢治が生まれた年。
宮沢賢治は岩手出身ということで同じ東北ですよね、東北の雪景色を連想させるような話も多く書かれているのは自分が見てきた、育ってきた環境を投影しているからなんでしょうね。

明治29年創業の鈴栄、震災前は福島県浪江町で仕事をやられていたんだそう。
福島県浪江町と言ったら、震災の被害が大きかった地域として地域外である私なども知っている場所ですが、震災による被害で工場や店舗が全壊し、さらに福島第一原子力発電所の事故の影響で休業を余儀なくされました。
その後一念発起し、宮城県の閖上地区で水産加工団地が立ち上がるタイミングでここに移転されたんだそうです、水産加工団地には数件水産加工の会社が入っているのですが、水産加工団地の周りはまだ何もなく堤防の工事をしていたり道路すらまだ工事をしているような段階。
そんな中、ここに移転してイチから始めるだなんて、すごいの一言ですよね。
大きな工場の前には販売をしている店舗もあります。
おお、試食も出来るんですね、楽しみです。
店内に入ると、冷蔵庫の中に佃煮やじゃこなどが並んでいます。
どれも美味しそう。
色々な種類の佃煮を試食し……、今回はこちらを購入。

くるみ入り佃煮です。
朝食にもおつまみにもいい感じです。
さらに……。
こちらのじゃこもお土産でいただいてしまいました。
早速佃煮のほうを食べてみることに……。
味がしっかり!
甘じょっぱくて本当に美味しいですね、白いご飯と一緒に食べたい。
あとくるみも風味が豊かで美味しいんですよね、魚の佃煮にくるみを初めて入れた人ってどういう発想で入れたんですかね!?
じゃこはご飯にかけて食べます。
アツアツご飯の上にじゃこ、青のり、そして醤油を少し。
じゃこのほうはしっとりしていて美味しいんです。
醤油をかけなくても十分なくらい塩っ気もあります。
子どもも「美味しいー!」と喜んで全部ご飯を食べてくれました。
鈴栄では、まだほかにもいろいろな種類の佃煮が売られていましたので今度行ったときには別の味も試してみたいと思います。
鈴栄 宮城県名取市閖上3-90-1