宮城県北部の都市、登米市登米町です。
「登米市登米町」と書くと何の違和感も感じませんが、登米市は「とめし」と読み、登米町は「とよままち」と読むという、なんだかすごくややこしい地名なんですよね。
元々は「とよま」という地名だったそうですが、明治初めの郡区町村編制で簡易な呼び方「とめ」が郡名として採用され、郡が「とめ」、町名が「とよま」となりました。
で、2005年の合併によって誕生した「登米市」は「とめし」、町名はそのままの「とよま」となったんだそうです。
外から来るとややこしいですが、住んでいる方々はどちらも馴染みのある名前なんですね。
じゃあ、ただ単に「登米」と書いてあったら皆さんどちらとして読むんでしょうかね?
で、今回も登米市登米町の老舗へ。
登米町市街地から車で1,2分ですが少しだけ北へ行ったところに100年以上続く老舗があります。
こちら、田邊菓子店です。
田邊菓子店は明治13年(1880年)創業の老舗菓子店。
明治13年9月12日に東京法学社、9月16日に専修学校が相次いで開校しました。
その後専修学校は大正2年に、東京法学社は大正9年に法政大学へ改称して今に至っています。
田邊菓子店の看板もなかなかいい味ですね。
「太白飴本舗」と書いてあります、田邊菓子店の名物かもしれませんね。
店内に入ると色々なお菓子も並んでいますが、古くから使っているお菓子を作る道具(?)もあります。
なんか地元の人々に愛されているお店という感じでいいですね。
ショーケースの上には看板にもあった太白飴が並んでいます。
「この飴は今の時期しか作ることが出来ないから」とご主人が説明してくれます。
しかも「砂糖も一切使っていないんだよ」と。
飴なのに砂糖を使っていない……。
これは気になる、ということで今回は太白飴を購入してきました。
いいですね、結構たくさん入っています。
原材料のところにはたしかに砂糖は書いてありません。
この太白飴、昔から食べられていたようで麦芽に含まれるジアスターゼがもち米のデンプンを糖に変えて甘みを出しているんだそうです。
昔は砂糖は高級品で容易に手に入らなかったものなので、こういった方法で甘みを出していたんですね。
ただ昭和20年~30年ごろになると砂糖も手に入るようになり、わざわざ手間のかかる方法で飴を作ることもなくなってきたのだとか。
この田邊菓子店は昔からの製法を守り続け、今では唯一太白飴を製造、販売しています。
どんな味なんでしょうね、気になります。
お菓子に匂いにつられて子どもも近づいてきました。
オブラートに包まれています。
口に入れてみると……あま~い。
砂糖を使っていないとは思えないほど甘いですね、ビックリ。
一般的な飴と比べると柔らかくてキャラメルのような食感で美味しい。
口に入れると優しく溶けていくんですけど、子どもは噛んで食べていました。
噛んで食べるには結構固い気がするんですけどね、歯が丈夫なのは羨ましい……。
なんだかものすごい顔して噛んでいましたけど……。
美味しかったようでたくさん食べていましたよ、虫歯にならないように気を付けてね。
田邊菓子店 宮城県登米市登米町寺池荒町36