宮城県白石市から車で15分ほど山の方へ行くと鎌先温泉という場所があります。
少し山に入ると、まだちょっとだけ雪が残っていました。
この鎌先温泉には温泉宿が数軒あるだけの小さな温泉街なのですが、かなり古くからやっている温泉宿が点在します。
昨年夏には、この鎌先温泉で250年以上続くすゞきや旅館にも行きました。
何もないんですけど、この鄙びた感じがいいんですよね。
ここ鎌先温泉で最古の歴史を誇る温泉旅館があります。
それがこちら、時音の宿 湯主一條です。
湯主一條は1428年創業、約600年の歴史のある旅館なんです。
1428年は室町時代、第6代征夷大将軍に足利義教が就いた年でもあります。
その後足利義教は1441年の嘉吉の乱で暗殺され、その生涯を閉じました。
そんなころから湯主一條はこの地で営業していたんですね。
こちらの建物は本館で要録有形文化財にも指定されています。
宿泊や温泉は右側の建物、この本館は個室の食事処となっていて、食事はこの建物の部屋でとるようです。
旅館に入ると、またちょっと伝説が残されていそうな箪笥があります。
伝説なんて多分ないんでしょうけど、雰囲気たっぷりの箪笥。
色々なものに歴史を感じるのですが、決して古いわけではなくピカピカで掃除も行き届いています。
子どもたちも少し緊張……、普段は旅行に行っても子ども向けのホテルとか旅館に泊まりますからね。
で、部屋にとおされると走り回り始めました。
部屋もすごく広くてきれいで言う事はありません。
旅館には通常、館内の案内だったりルームサービスだったりが載っている冊子が置いてあると思いますが、湯主一條ではなんとiPad!
古いものの中に新しいもの……、これが600年続く秘訣なのかもしれませんね。
ひとまず部屋でゆっくり休んだあとは温泉へ……。
湯主一條は男女それぞれ内湯と露天風呂、薬湯があります。
それにしてもこの建物、とにかく中が迷路のように入り組んでいるんですよね。
階段を下りたと思ったら……
上りの階段があったり……。
どうにか温泉に到着し、子どもとわちゃわちゃしながら内湯、露天風呂共にゆっくり入ります。
で、その後は夕食です。
本館へ案内されます。
情緒があっていいですね、妖怪でも出てきそうな雰囲気です。
夕食は森の晩餐、とにかく豪華の一言。
子どものご飯って普通はお子様ランチのようなものを想像しますよね、私たちもそれで十分だと思っていたのですが、なんとも豪華。
ステーキも入っていて全然子どもの食事っぽさがありません、私が食べたいくらい。
そんな私たち大人のご飯もお造りから和牛ヒレステーキ、鴨鍋ととにかく贅沢な料理で大満足でした。
で、次の日の朝。
雪が降ったようで、旅館全体に雪化粧。
本館が幻想的で本当にきれいです。
朝食はまた本館の個室で。
洋食にしてみました。
こういう旅館だと和食を選ぶ人が多いのだと思います。
私も和食派なんですけど、前日夕食の終わりごろ「明日の朝の朝食は和食と洋食どちらがいいですか?」と聞かれたとき、間髪入れず息子が「洋食!」と。
大人は失笑ですよ……、おいおい、ここは600年以上歴史のある旅館だぞ、と。
洋食にしてどうすんだと。
で、再度息子に「和食しようよ」と言うと「洋食!ぜっっったい洋食!」。
誰に似たのか頑固なので一度言い出したら聞きません。
ふと大人の権限で和食にしようかとも思いましたけど、これも旅ですよね、縁というべきか(笑)自分だったら選ばなかったであろう老舗旅館の洋食もなかなか楽しみだ、という事になり朝食が洋食になったという経緯があります。
食べてみると……、もう間違いなく美味い。
何を食べても美味いんですよ、なんなのこれ。
焼き立てパンです。
もちろん子どももたくさん食べていましたよ。
チェックアウト後は雪遊び。
鎌先温泉は蔵王が近いので雪が結構降るんですね、夏来てもよし、冬来てもよしの鎌先温泉、ホスピタリティ溢れる時音の宿 湯主一條で楽しいひと時を過ごすことが出来ました。
時音の宿 湯主一條 宮城県白石市福岡蔵本鎌先一番48番地